Vol.03 怒涛の購入編
とうとう、わが家にiMacがやってきた!
感涙、感涙です。
予約するかどうか思案中。
予約を終えて、ニコニコ顔でiMacと
一緒に記念撮影(恥ずかしかった)。
9月6日(日)
わーい、わーい。ついに今日、iMacがお家にやってくる。いやiMacは自分でやってこないので、車でお迎えに行かなきゃいけない。日曜日の昼間だとお店も道も混むだろうから、夕方行くことにしよう。それまでは、お昼寝をして待つことにするか。気分はウッキッキ。手はずはバッチリ…のはずだった。 ところが、世の中そんなに甘くない。
午後6時、車で販売店に向かったが、お店の近くのパーキングエリアの空きがない。お店の駐車場も見つからない。いままで、そのお店には車で行ったことなどなかったので、専用駐車場の場所などチェックしたことがなかったのだ。周辺の道は一方通行が多い上に、地下鉄工事の影響で道幅が制限されていて、ちょっと動くにも渋滞が続く。助手席の夫は(ウチでは私が車を運転する。夫は、今のところ助手席専用)みるみるうちに、不機嫌になっていく。フン!フン!確かに、今日は私の詰めが甘かった。でも、私だって苦労してんだからね!30分もノロノロ、クルクル同じエリアを車でうろつくうちに、険悪なムードは増大していく。
エーイ、こうなったら強行手段だ。お店の前の停車スペースが1台分空いたのを見て、停車した。モタモタと切り返しをしているところへ、市バスがやってきて「早よ、せんかい!」とばかりに、びーびークラクションを鳴らす。ヒー、ごめんなさいごめんなさい。カーと頭に血が上りながら、幅寄せを完了。ホッとしている私に「チッ」と言わんばかりの一瞥を投げつけて、バスが隣をすり抜けていく。後続の車も、ノロノロとすり抜けていく。これは駐車じゃなくて、停車だから許してね。だからほら、夫を車に残して行くからさ。さっきまでのウキウキ気分は吹っ飛び、私は、お店に走り込んだ。
レジで予約票を出す。メモリの増設は今回、とりあえず見送り、まずは使ってみることにしたので、すぐに手続きは済むはず。ついに『私のiMac』とご対面だ。でも、ひとつだけ気がかりなことがあった。iMacの『スリー・ステップ編』のCMを見る限りでは、電源コードの先は3つ又だ。でもウチの家には、そんなコンセントはない。変換タップがなきゃ「電源をコンセントに差し込む」という1stステップで、いきなり挫折だ。変換タップもiMacのセットの中に入っているのかしら、それとも600円くらいで売っているから一緒に買って帰ろうかしら…。
迷っているうちにiMacの箱が店の奥から登場した。おお。箱の側面のオレンジ色が眩しい。カードであわただしく清算手続きをする。エヘヘ、夫のクレジットカードを使ってやった、ザマー見ろ。さっきまでの険悪な空気のせいで、すっかり、私の気分は意地悪オババだ。
お店の人が「お車ですか?」と聞いてくれたので、「そうです」と答える。すると親切にも車まで、台車で運んでくれるという。わーい、よかった。私一人で車までどうやって運ぶのか、考えてなかったのだ。奥からエプロン姿の男性が現れて、テキパキと台車にiMacの箱を載せ、エレベーターに向かう。
えーと、なんか忘れているような…そうだ、変換タップだ。あわててエプロンお兄さんに聞いてみると、そんなことを質問されたのは初めていった様子で、わざわざ売り場までまた戻って確かめてくれた。
「大丈夫です。日本仕様になってます」
展示用のiMacをよく見ていればわかったことなのだけど、確かに電源ケーブルの先は、日本仕様の2又になっている。でも、でも…CMを見て、私と同じような疑問を持っていた人、結構、いるんじゃないだろうか。聞くところによれば、CMはアメリカで放映されたものにナレーションだけ変えて放送しているそうだが、そこんとこのフォローが欲しかった。それとも、そんなこと気にするのは、私だけかしら。
台車に乗った『私のiMac』は、お兄さんに押されながら店内を進んでいく。途中、すれ違ったカップルのお客さんが「おお!?」という顔で立ち止まった。女性の方は、明らかに「iMacだわ」という顔で見つめている。キャ、なんだか誇らしい。いまどき、箱を持っているだけで「おお!」と見知らぬ人に驚いてもらえるものがあるだろうか。シャネル?プラダ?グッチ?私は、そうしたブランドものは持っていないけれど、いまやiMacは、女性の心を捉える流行ものの域に達しているようだ。
エプロンお兄さんの話によると、やはり「iMacが入荷次第、すぐに持ち帰りたい」というお客さんが多いようで、「ボクだけでお持ち帰りを手伝うのは、これで10回目くらい」だったそうだ。
そんなワケで、iMacがお家にやってきた。慌ててリビングに掃除機をかけて、箱をあける。
予約するかどうか思案中。
とりあえず食卓にiMacを乗せて、
立ちあげてみる
えーと、えーと、
それから何しよう?
えーと、えーと、
それから何しよう?
さて、CM通りスリーステップでセットアップだ。
「1.電源をコンセントに差し込む」はいはい。
「2.モデムコードを電話回線に接続する」
フムフ……あ、あれ?テーブルから、届かないや。あちゃー。長いフォーンケーブルを買って来るんだった。床に降ろして使うのは、ちょっとイヤだな。ま、とりあえず、インターネットはガマンしよう。「3.スイッチオン」だ。
スタートアップ音は、ちょっと低め?グォーンと厳かな音がリビングに響く。
クー、得体の知れない感動に浸る私。これこれ、この感動を待ち望んでいたわけですよ。
さて何をするかナーと思うまもなく、設定アシスタントという画面が立ち上がった。「よしよし初めまして私のiMac」てな気分で、順々に出てくる"指令"に答えていく。…と、パスワードを打ち込めというところに差し掛かった。へ? パスワード?
えーとえーと。そんなこと急に言われてもなぁ。何にしよう。何も考えていなかった。もう今日は、これで休憩だ。ハー。
9月7日(月)
iMacがお家にやってきて、はしゃいでいるウチに日付が変わってしまった。実は今日はまだ、6日の深夜の延長なのデス。目はギンギンに冴えている(だって、お昼寝をしたからね)。
改めて、ダイニングテーブルの上に置いたiMacを眺めてみる。とにかく早く使ってみたくて、とりあえずここに置いてみたが、おお! なんて素敵な風景だろう。ウチのダイニングテーブルは、オイルステンの木でできた、どちらかというと自然派の古くさいスタイルなのだが、スケルトンのプラスチックボディとも不思議とよくマッチする。いっそこのまま、このテーブルで使おうかしら。流し台から振り向いてみれば、ダイニングテーブルの上にiMacがある生活。うーん、想像するだけでうれしいじゃないか。本当に私の手元にやってきたのね。
それともソファの近くに置いてみるというもの、いいかもしれない。ソファにゴロンとしながら、コロンとしたiMacと遊ぶ日々。取っ手のついたiMacだから、気分にあわせて気軽に置き場所を変えられる。ppただ、家に持ち帰ってきた仕事をするのに、iMacを使うのだけはやめておこう。iMacは、もっと何か違う楽しみ方があるはずなんだ。いわゆるパソコンではなかったからこそ、こんなにワクワクしたはずなんだ。
じゃあ、それは、何? うーん……。今日は、iMacを手に入れたことだけで、安堵感と満足感に浸り切っちゃって、考えられないや。どんな楽しみ方があるのか考えることが、これからの楽しみだな。うぁ、うれしい。
そうだ、まずはApple CDオーディオプレーヤーで、CDを聞いてみよう。ジッタリンジンのベストアルバム『ハッピーカムカム』をCD-ROMドライブに差し込む。お風呂の中で聞いているような、エコーのかかった音だ。これで聴くジッタリンジンも、なかなかスカッとする。『Sinky Talk』などお気に入りの曲も、ポップなスタイルのiMacから流れてくると、一層ポップに聞こえるから不思議だ。
私がiMacを楽しんでいる間に、わが家のペット=ウサギのグレコ(メス・2歳)がやってきて、iMacの箱のをかじりだした。グレコは、なぜか段ボールが大好き。鋭い前歯で分厚い段ボールをガリガリかじる。これこれ、この箱は大切なんだから、本気で食べるのはよしなさい。
さて、その次は…ふふふ、ゲームだ。先月、iMacを買ったら遊んでみようと、パズルゲームのCD-ROMを買ってあったのだ。そのタイトルは『脱出』ゲーム。なかなか脱出できなくて、結局、朝までハマって遊んでしまった。……これが、『私のiMac』がやってきた最初の1日でした。
9月8日(火)
よーし、今日はiMacでインターネットだ!と、喜び勇んでインターネット接続の設定をした。……3時間以上かかった。あれ?
だって何やら難しい用語がいっぱい出てきて、やたらと「設定を打ち込め」って
言ってくるんだもん。仕事場のMacで、夫がインターネット接続の設定をしたのはもう2年以上前のことだから、夫に聞いても「よーわからん」と言うだけ。『Mac Fan Internet』の接続ガイドが載っている号を探し出してきて、それを読みながらあーでもない、こーでもない。なんか、よーわからんが、つながった。ラッキー。
9月9日(水)
iMacがわが家にやって来て3日たった。どんなハンサムな顔も3日たちゃ見飽きるというが、iMacはどうだろうか。ちょっと冷静になって(ムリかもしんないけど)改めてiMacを眺めてみることにした。
まずは後ろから。続いて側面、そして正面。うーん、見れば見るほど惚れ惚れするんだよなぁ(ぜんぜん冷静になってない)。なかでも一番の驚きは前面だ。前から見たときのウットリするようなアイスの美しさといったら、あなた。50年代のアメリカの大型冷蔵庫を、なぜか思い出してしまう。この白は、いままであまり日本では見たことがない白だと思う。細い縞模様とともに、なんだか懐かしいような、でも未来的な…。電源を入れて前から眺めていると、モニタを縁取るアイスがほわんと光って、豊かな気分になってくる。
マウスを見ると、中のボールまでがツートン。しかも、ボール型のチューインガムみたいで、なんだかとっても、おいしそう。おいしそうといえば、キーボードとマウスをつなぐケーブルは、ちょっとシルバーがかった白色で、練りに練ったアメ細工を思わせる。電源ケーブルはグリーンとブルーのねじった色だから、これまたおいしそう。たしかこんなお菓子が、昔みたTVドラマ『長靴下のピッピ』に出てきたような気がする。そうか、iMacはおいしそうに見えるんだ。
9月11日(金)
iMacがウチにやってきた6日の日曜日に徹夜して以来、少しずつ生活のサイクルがズレ出した。1日を30時間くらいで過ごしている。つまり月曜日は朝の8時に寝て昼の3時過ぎに起き、火曜日は昼の2時くらいに寝て夜中に起き…という感じ。何日か続けていると、キチンと朝早くに起きるタイミングにぶつかるというわけだ。わが家ではこれを"調整"と呼んでいる。ただひとつ困るのは、そうこうしているうちに1日どこかに行ってしまうことだ。私には9月10日がなかった。なんか、損した気分だけど、おかげで今日はスッキリ早起き。そんなわけで、日記も1日飛びました。
早起きをしたら、家のなかが散らかっていることに突然気がついた。いかん、いかん。夫はこの数日間「忙しい」と言って仕事場に泊まっているので、今日も私は一人。よーし今日は腕まくりで朝から大掃除だぁ。気分を変えようと花まで買ってきてしまったぞぉ。iMacの隣に置いてみる。おお!驚くべきことに、半年前に買ったまま一度も使ったことのなかった花瓶は、iMacに合わせたかのようなグリーンのスケルトンだった。カジュアルな感じのガーベラも、iMacによく似合う。えへへ、我ながらオシャレじゃんと悦に入っている。
iMacも買ったし、久しぶりに掃除もしたし、花を飾ったことだし、う~やっぱり誰かに自慢したい。私は同じマンションのお友達Tさんに電話をしてみた。ところが、Tさんちではお友達が5~6人集まってお料理&ランチ会がまさに始まろうとしているところだった。
「よかったら、これからいらっしゃいよ。一緒に食べましょ」
お言葉に甘えて、食べにだけ行ってしまった。メニューはホテルのランチみたいで、デザートに手作りチョコレートケーキまである。すごいなー、よそんちの奥様はこんなにキチンとお料理してるんだ。久しぶりに掃除したぐらいでホッとしている私とは、レベルが違う。
「あのね、あのね、私iMac買ったの」
なんか私、場違いな話をしてるよなぁ。でも、iMacは奥様の間でも評判は上々だ。
「あ知ってる、知ってる。CMもよくやってるアレね。カワイイのよね」
原田社長~! iMacは奥様にも人気ですよ~。
9月13日(日)
『最愛のiMac日記』をはじめてから、いろんなメールを頂くようになった。ありがとうございます。メールでは、各地での発売日の"極私的"模様も教えてもらえて楽しいデス。例えばIさんは徹夜で並んでiMacをゲットしたとか、Kさん(男性)の場合はiMacを買いたい甥子さんにつきあって奔走するウチに自分も妙にiMacに愛着を抱いてしまったとか。別のKさん(女性)から頂いたメールでは、iMac発売前後の姫路での様子を教えてもらった。
ちなみにKさん(男性)からはじめてメールをもらったのは、7日(月曜日)のことだった。 6日の日曜日にiMacで遊びすぎて日記のアップが遅れたところ「で、日曜日にはどうなったの?」というメールが来た。おお、絶妙の突っ込み!生まれも育ちも大阪の私としては、この突っ込み、うれしくなっちゃった。その後もずるずるアップが遅れることが続き「また突っ込みがやってくる」とちょっとしたスリルを味わっていマス。