Vol.02 ずけ

興奮とお笑いの発売日に予約してから、

1週間のおあづけ状態が続きました。

8月30日(日)

 昨日のiMac発売の全国のお祭り騒ぎが、続々とインターネット上に掲載されている。みんな、大きくとも重くとも、Getできた人はすぐに持って帰りたいんだなぁ。あちこちのレポートに載っている写真をみて、実感してしまった。うらやましい。

 そういえば昨日のSeidenでは、『初めてのマッキントッシュ早わかり』みたいなタイトルのビデオを買っている人がいた。見たところ、30代前半の主婦という感じ。当日iMacお持ち帰り組なのかどうかはわからなかったが、3時の発売開始からいた人なので、かなりの関心を寄せていたようだ。実物を見たからにゃ、持ち帰れなくとも、きっと私と同様、予約をしたに違いない。iMacが発表されたおかげで「iMacから始める」という現象が早くも起こっていることを確信した。 初めて使うコンピュータが、iMacだという人は、なんてオシャレでカッコイイことか。

 それに、売り場がWinマシンも置いてあるフロアだったのでWinユーザーらしき人も多く、展示されてあるiMacをあちこちの角度から眺めて触る人を評して「Macユーザーは、こういうところをチェックするわけね」とユーザー込みでiMacを観察していたのがおかしかった。チッ、チッ、チッ。ボディ本体から後ろ姿から、コンセントに至るまで、隅々まで美しさを確かめているのだよ、私たちは。

 昨日から大騒ぎをしてしまったので、明日出さなきゃいけない仕事がまだ終わらない。お尻に火がついている。でも、今日の店頭でのiMac人気はどんなものか、見に行きたいな~。ウズウズしちゃうな~。

 

 仕事だけじゃなく、誘惑とも戦わなきゃならない。


8月31日(月)

 なぜか、現在の愛機のLC630の調子がおかしい。家のPowerBookも、ヘンなところで漢字変換したり、使いにくいったらありゃしない。特に夕べからのLC630は突然フリーズを起こすこと、数回。すこぶる、ご機嫌が悪い。ひょっとして、これがウワサの『Macのジェラシー』というものか。新しいMacを買ったら、それまで使っていた古いMacが急に調子が悪くなり、トラブル続きになるというのをよく聞く。それが、ついに私の身にも起こったわけだ。この日記でも、古いだの遅いだの、いずれ買い換えなきゃいけないだの、いままでのLC630の奮闘をコケにするようなことを書いてしまった。それに対して、ついに怒りが爆発したのだろうか。でも、そんなに怒んなくてもいいじゃん。いまどき、まだLC使ってるんだから有り難いと思って欲しいもんだ。だいたい、朝方にInfoseekにつないだ途端2度もフリーズ起こしたのも、もとはといえば………おっと、これにはまだ反応しないようだ。なんか、気難し屋の親友をからかって遊んでいる気分になってきた。

 ところでネット上の情報によると、発売日に予約した人がiMacを手にできるのは1カ月後と見ておいた方がいいという説が浮上している。えー、えー、えー。私が予約したときは「数日後」って言われたのにぃ。と、30歳過ぎての甘えたさんモードは、自分でも気持ち悪い。よけい腹がたってきた。

 しかし、よく考えてみれば「数日後」っていうのは、どのくらいまでの長さを指すんだろう。「毎日、日本に着きますから、どんどん追加が入る予定です」と言われて、希望的予測で「3、4日後」と解釈していたんだけど。30日後だって、数日後になるんだろうか。そんなに、待てない。えーい、やっぱり販売戦略の魔法にかけられてしまったのか!?責任者、出てこい。原田社長、なんとか言えー。


9月1日(火)

 「『最愛のiMac日記』、読んだよ」と知らない人がメールをくれた。わぁ、うれしいなぁ、読んでくれて。インターネットて、こんなことがあるから楽しいなぁ。

 メールには、iMac発売当日、どうやって手に入れたのかのエピソードも書いてあって、これがすごくおもしろい。いや、おもしろいというのは失礼か。なんというか、スリリング。iMacをGetするまでの、愛と嵐と友情の物語。こんな話、自分だけ独り占めするのはもったいないので、載っけちゃえ。……って本当は、ちゃんとご本人に許可をもらいましたから、大丈夫。ただし文中、お名前とかは変えました。

(前文略)
 いま、彼女にも「おもしろいHP見つけたよ。」とTELしたので、今ごろ見てるはず。
 さて、Imacですが、二人で欲しいね状態でした。
 「うちのマック(performa6210)は、もう限界だし、気張って買うか。」と、なりました。ちなみに、彼女は会社でPM7600/132 私はPB G3/233 実家では performa5440を使ってます。

 29日は、車で動きたいので車庫のある実家(埼玉)へ一人で帰って、12時ごろいちばん近くのshopへ出発。3時ジャスト!入荷11台に対して希望者約60名、抽選会だ。抽選番号13番何となくヤナ予感!「当選番号11番・続いて14番・・・・・最後の当選番号12番。以上です」

 はずれた、しかも13番だけ飛びです。
 結構ショックで、予約もせずに帰りました。
 なんとなくおさまらない、いつも懇意にしてて今回も予約を入れておいた(当然、予約は無効になったけど)専門shopへワラにもすがる思いでTEL「95台入荷しましたが、完売でした。」

 あきらめかけたところへ「でもキャンセルでると思いますよ。2股も3股もかけてる人いますから。」期待薄でshopへ向かう!

 おりしも関東地方は台風まっただ中、車動かず、前見えず。
走り始めて1時間、7:30。あきらめましょう。「行こうと思ったけど、あきらめますわ。」

 shop「思った通り、数台キャンセルでました、頑張ってください。」

 でも、早いもの勝ち,まだ1時間はかかる。試案のシドコロ「ウーン・GO!」

 でも、やっぱり大渋滞。

 時間ばかり過ぎていく、ラジオでは贔屓のベイスターズがぼろ負け。

 8:30ふたたびTEL,「状況どうですか?」

 shop「あと1台です。」

「やっぱり無理です。予約入れます。」

 shop「取り置きはできませんが、仮に●▲さん(申し遅れました、わたくし●▲と申します。)の友人が来て整理券をお持ちになった、そいでもって●▲さんは支払いに向かっている。だから頑張ってください。」ただ、秘密ですよ!*秘密にしておいてくれ。

 それから1時間、shop着9:30 お礼を言って、メモリを差してもらって当然お金も払って、車でGO!

 帰宅時間11:30、めでたく11:50ギリギリ29日のうちにセットアップ完了。

 休日出勤の彼女に連絡、「・・・・・と言うわけ」

 そのガッツ仕事に活かせ! 早く持ってこい。

 当分、実家で独り占めしてやる。苦労したんだぜ。

 簡単に入手した人もいるけど、こんな経験できて、一応満足・満足

 ね。スゴイでしょ。いやはや、私にはガッツが足らんかった。iMacを手に入れるためには、台風のなか走り回らないと。iMacの魅力、台風をも跳ね返す。そんでもって、持つべきものは"Mac売り場の店員さんである友人"ね。あ、秘密と書いてあったのに、バラしちゃった。ま、いいか。友人の協力なんだし。

 ん? でも待てよ。●▲さんも「当然、予約は無効になったけど」というように、Apple Japanは29日3時以前の予約をとっちゃダメって全国の販売店に通達してたはず。この点に関しては、あれこれ物議をかもしていたそうだけど、私は、Apple Japanの方針に賛成票を1票!そりゃ、通販で買ったりする方がラクでいいけど、歴史の大きな転換となる日なんだから、店頭にみんなドッと行って盛り上げなきゃ。

 じゃあ、私が29日の2時40分、Seiden三宮店に着いたとき既に「100台すべて予約分で完売です」と言われたのは、アレは何? ダー、だまされた! 気付くのが遅かった。

 私が29日の2時40分、Seiden三宮店に着いたとき既に「100台すべて予約分で完売です」と言われたのは、アレは何? ダー、だまされた! 気付くのが遅かった。


9月2日(水)

 仕事がちょっと一段落して、なんだか気が抜けてしまった。7月、8月はヒマでヒマでドーしよーもなかったのに、iMac発売のカウントダウンが始まった2週間ほど前から突然忙しくなってきて、今ごろになってまたヒマでヒマでドーしようもない日々がやって来ようとしている。どうも私の人生、こういう巡り合わせが多い気がする。肝心なときに…トホホな私。 きっと、手元にやって来た時には、世の中の興奮は落ちついちゃってて「ウフフ、iMac買ったのよ」と友達にも自慢しても、誰も珍しがってくれないのね。ボンダイブルーな気分になってきた。シャレも、アイスな寒さだなー。

 来週からは、予定がない。それは仕事がないということで、つまり収入がないということで、すなわち、とっても困ることなのだ。それでなくとも苦しいのに、iMacの代金払ったら苦しいなぁ。なんか落ち込んできた。そうだ、なんとか夫をダマくらかして、買ってもらう方法を考えてみよう。エヘヘ、立ち直ってしまった。

 明日はなんとか仕事を終わらせて、店頭に展示してあるiMacを見に行こう。エヘヘ。


9月3日(木)

 今日、前号の『Mac Fan』(9/1号)をなんとなく眺めていて、ハタと気付いた。表紙の雨宮塔子アナウンサーのバックに映っているAppleのリンゴマーク、これはガラスか何かに書き込まれた"撮影用の演出物"だと思っていたが、表紙の解説コーナーを見ると、大きなシルクスクリーンの絵みたいに見える。

「そうだよ、アンディ・ウォーホールが描いた絵だよ」

 夫はその絵を以前、見たことがあるのだそうだ。そうか、ウォーホールがまだ生きていた頃、Appleはもう、ウォーホールがモチーフに使うほどの"大企業"だったんだ。

「あのね、モチーフというよりも、正方形の企業シリーズというのがあったんだよね。たしかApple以外にもフォルクス・ワーゲンとかもあったはずだよ。ウチの隣にあった画廊で、同じサイズでカエルの絵を売っていたんだけど、たしか70万円だったかな。そのあとすぐにバブルになって、ボク、大丸でそのシリーズの展示即売会をやっているのを見たけど同じ絵が200万円になってた。ウォーホールが亡くなった直後ぐらいのことかな」

 ふーん。夫は当時、リンゴの絵にMacintoshと描かれてあっても、何のことかわからなかったそうだ。その直後、初めてMacintoshに遭遇し、コンピュータのモニタのなかでグラフィックな絵が動いているのを見て度肝を抜かれたらしい。以来、雑誌を読み続けてMacの研究を重ね(?)ること、10余年。おかげで、Mac関係の雑誌は、いまだにほとんど全種、買い続けている。それだけで、Macをあと1台は買えたかも…。


9月4日(金)

 昨日の日記の内容で、夫からクレームが出た。 「『Mac関係の雑誌は、いまだにほとんど全種、買い続けている』というのは、オーバーだよ」 というのだ。でもぉ、『Mac Fan』シリーズでも『…Internet』『…Beginners』(おい、おいビギナーでもないのに、まだ買うか)を買ってるし、その他にも『Mac LIFE』『Mac POWER』『Mac Peaple』…。

 ………。ともかく、夫は、全部は買っていないと主張しているので、一応訂正しておきます。  ところで、iMac発表から今日で1週間。発表当日に予約をしたのに、その後なんの連絡もない。ネット情報によれば、1カ月待ちの覚悟が必要とかいう情報も漏れ伝わってくる。えーい、どうなっとるんじゃい!? 私のiMacはいつになったら、来るんだぁ、原田社長? 答えろ、原田、立て、立て原田、立ってくれー……ていうのは、五輪ジャンプの原田選手でした。失礼しました。

 やっぱり、生産が追いつかないんだろうか。それならいっそ、シンガポールに飛んで、自分で組み立てちゃうよ。

まあ、そんなバカなことばっかり言っていても始まらないので、予約を入れた販売店、Seidenに行ってみることにした。相変わらず2台の展示iMacには、次から次と人が吸い寄せられるように近づいて、触っている。特に、若い女の子が多いのが目立つ。やっぱり、iMacの目論見通りということか。

 マック担当レジに行くと、例の発売日にデモをしていたAppleポロシャツのマック担当さんがいた。ところが、iMacのことを聞いている先客が何人もいて、近づけない。あ、パンツスーツに茶パツのお姉さんは、予約控えを見せながら、配送の日時を決めている。くやしー。

予約から1週間、まだ連絡がないことにシビレを切らして、お店に行ってみた。展示されているiMacを触って、「欲しーな、欲しーな」状態の私。これ持って帰っちゃダメかな(ダメですね、もちろん)。

 接客の隙をついて、私もAppleポロシャツさんに声をかけた。
「あのー、発売日当日に予約を入れたんですけど、その後、どーですか?」
「明日、入るんですよ! 予約番号は142番? それなら大丈夫。明日、こちらから電話する手はずになっています」
明日! 明日! あ・し・たー。キャー。今夜は眠れない。


9月5日(土)

 電話がかかってきた。明日以降に、持ち帰れるという。
もちろん、明日取りに行く。フフフフフ…

CONTENTS

このサイトは、インターネットでの発表以来iMacに魅入られてしまった私の「えへへ」な毎日や事件などを綴ったページです。購入前のワクワクや「なぜ、欲しいのか」という自問自答、発売当日のドタバタの様子に続き、買った後はドキドキしながらiMacと親しくなって、E-Mailを送れないと言ってはオロオロ歩き、新しいソフトを試しては「やっぱり快適やねー」と喜び、東にEXPOがあると聞けばS.ジョブス見たさに飛んでいき、西に極秘情報があれば「おせーて」と頼み込み…まあ、そういう出来事が次々と起こりました。これからは、どんな大冒険が…!?ワクワク。

おかげさまで「Mac Fanホームページコンテスト98」でメッセージ賞を受賞しました。わーい。

CONTENTS

またまた広告が載っている。あと4日で、近未来のフォルムがやってくる。8月29日、iMacアイマックがやってくる。ンコ店の本日10時から新台!みたいやぁ、思っていたよりも高級感があると感心している。

BOOKS
参考文献ってことではなくて、あっぷるとステーブ・ジョブス関連の本。

スティーブ・ジョブズ II

ハードカバー – 2011/11/2

ウォルター・アイザックソン (著),

井口 耕二 (翻訳)

講談社刊

スティーブ・ジョブズ II

ハードカバー – 2011/11/2

ウォルター・アイザックソン (著),

井口 耕二 (翻訳)

講談社刊

ロスト・インタビュー スティーブ・ジョブズ 1995

ソフトカバー – 2013/9/11

講談社刊

スティーブ・ジョブズ-偶像復活

ハードカバー

ジェフリー・S・ヤング、 ウィリアム (著),2005/11/5
東洋経済新報社刊

アップルを創った怪物ウォズニアック自伝

2011/11/2

スティーブ・ウォズニアック (著),

井口 耕二 (翻訳)

ダイヤモンド社刊

アップル・コンフィデンシャ2.5J(上/下)

2006/4/27

オーウェン・W・リンツメイヤー (著),

林 信行・他 (翻訳)

アスペクト刊

林檎の樹の下で ~アップルはいかにして日本に上陸したのか~

2011/10/17

斎藤 由多加 (著),

オープンブック刊

アップル宣言―クレイジーな人たちへ

1998/02

真野流・北山耕平 (翻訳)

三五館刊