グレコの初恋、それはかなわぬ恋。
その19●9月22日(月)晴
秋だというのに、あいかわらずの残暑である。部屋は1日中クーラーをつけっぱなし。仕事用のコンピュータは1日中稼働しっぱなし。地球環境には決してやさしくない生活様式だが、暑さ寒さに弱いウサギには、いたって快適で健康的な環境がキープされている。ところが、このところのグレコの様子が少しおかしい。神妙な顔でアルミサッシのガラス戸に向き合い、ベランダをひたすら眺めているようなのだ。
ん? さすがのウサギもたまにはお外に出たいのかしらと、いつものように早合点した私。早速、グレコをベランダに出してやることにした。しかし臆病グレコは、後ろ足を引きずりながらひょこひょこと部屋に戻ろうとする。そのオロオロぶりは、見ていておかしいほどで、文字どおり腰が抜けている。突然、知らないところに放り出され、恐くて恐くて、「お外へ出たい」どころではないようだ。
部屋に戻ったグレコは、「あー恐かったぁ」というようにグダーっと体を伸ばして横座りしている。それでも、しばらくするとまた、段ボールやテーブルの足で混み合ってせせこましいところまで入り込んで、アルミサッシ越しにベランダの方を眺めているのだ。ん? ひょっとして、眺めているのは外ではなくて、ガラスそのものなのでは? まさにその通り。いや、正確にはガラスに映った自分の姿をじーっと眺めていたのだ。
よく観察してみると、グレコはガラスに映った自分を見つめ、時には鼻をくっつけんばかりににじり寄っていることがわかった。その姿はまるで、恋い焦がれる相手を見つめ、なんとかお近づきになりたいとチャレンジしているようにも見える。 あーグレコ、残念ながら、それは自分の姿なのよ。ひと夏の恋というにはあまりにも淡い彼女の初恋は、悲しくも消えていくのだった。
予約するかどうか思案中。
予約を終えて、ニコニコ顔でiMacと
一緒に記念撮影(恥ずかしかった)。