おめでとう!満1歳のバースデー。
その18●8月10日(日)くもり時々雨
グレコが私たちの家にやってきて、10カ月が過ぎた。10月10日にやってきたときは生後2カ月だったので、8月10日は、満1歳の誕生日という計算になる。
「そうだ、お誕生日パーティだ!」
このところ、夫の誕生日にも私の誕生日にも、たいした力の入っていなかった私たちだが、グレコの誕生日ということでは、意見が一致する。ケーキを用意して、盛大に(?!)バースデー・パーティだ!
そこで私たちが用意したのは、ニンジンとほうれん草とハチミツをたっぷり使った自然派キャロットケーキ。マジパンでつくった、ニンジンの飾りもキュートだ。手作りではなかったのが、"母"としては少々心苦しい(パン屋さんで180円だったの)。でも、安上がりでよかった、よかった…。
「甘いもの好きのグレちゃんのことだから、喜ぶだろうな」
普段のグレコは、私たちがケーキを食べていると、甘い匂いに誘われて「ちょーだい、ちょーだい」と、立ってせがんでくる。そんなとき、ほんとはダメなのだが、ちょっとだけアップルパイのリンゴやムースなどをちぎってやると、喜んで食べるのだ。
そうは言っても、ウサギである。まあ、ケーキは縁起もんってことで、"お食い初めのにらみ鯛"のように、記念写真をとることが最大の目的だ。シャンパンだの、ティファニーのオープンハート・ネックレス(例えが古いですナ)を贈ったところで、グレコは喜ばない(たぶん)。
ところが、いざ記念撮影となって、困った問題が起こった。華々しくも、ろうそくを1本、火を付けてケーキに指してみたものの、ウサギが「フーッ」と喜んで吹き消すわけがない。試しに、グレコを近づけてみて写真を撮ろうとしたが、激しくジタバタと逃げ出す始末。あまり無理強いしてもかわいそうだし、何せ私はグレコのヒゲを焦がしてしまった"前科"があるし、代わりに私たちがろうそくをふきけしてやった。
こうして無事グレコは、キャロットケーキを好きなだけ食べることになった。
「ウップ。こんなに巨大なケーキ、匂いだけでお腹いっぱい」と思ったかどうかはともかく、グレコはほとんどを残し(そのほうが、安心)、私たちの思いをうれしく感じとってくれたようである。よかった、よかった。
それそれグレちゃんのバースデイ・ケーキだよ。いやがらないでろうそくを消しなさい。
「……………?」
ハピバースデイ、グレちゃんハピバースデイ、グレちゃん。こけこれ逃げないで。
「……………?」