グレコ、はやくもお引っ越しを経験する。
その3●10月13日(日)晴れ
朝早くからグレコはごそごそと音を立てて、こちらも気になって仕方がない。たまらず(うるさくてたまらないのではなくて、かまいたくてたまらないのですね、これが)夫がお布団にグレコを連れてきた。最初は恐々だったが次第に慣れてきて、顎をこすりつけてきたり掛け布団でつくったトンネルにグングン入っていったりして遊んでいる。が、あんまり慣れすぎて、夫の寝ているスペースにおしっこをしてしまった。あー、失敗。トイレのしつけをしなきゃいけないなあ。
チンゲン菜はグレコの大好物らしい。こんな小さな体で2、3枚 は一気に食べる。でも、一息つくと食べるのを中断して、よちよちと探検を始める。
その前に、グレコのおうちの問題だ。いつまでも、何年か前の引っ越しのときにもらった"赤帽"の段ボールで、仮住まいをさせているわけにはいかない。幸い、今日はいいお天気なので、ケージを買って持って帰りやすいだろう。
実は昨日、東急ハンズにグレコのものを買いに行ったのだが、雨がはげしかったのでかさばるケージが買えなかったのだ。代わりといってはなんだが、ペットシーツと、セラミックのようなものでできた"かじり棒"を買ってきた。へー、ペットグッズってどんなものでもあるんだなーと、いままでペットを飼ったことのない私は、驚きの連続だ。
結局、グレコを買った三宮のペットショップでケージを買うことにした。今日は神戸ジャズストリートというイベントが北野界隈で催されているために、地震後初めてと思えるくらいのたくさんの観光客で街はあふれかえっている。そのなかを、ケージを抱えて歩くのは少しヘンだった。しかし、これでグレコの姿を横からでも眺めることができると思うと、またもや顔は自然にニタニタ。そうだ! この間買った胴輪とリードをつけて、犬の散歩のようにしてグレコを散歩させたら、どんなに可愛いだろう。行き交う人の人気を一身に集めること間違いなし! なんてバカなことを想像しながら、家に帰ってくる。いやいや、しかし臆病者のウサギを散歩させるなんていうのは、動物虐待のような気もするので、グッとこらえるしかないだろうなあ。
夕方、早速新しいケージへのお引っ越し。私たちは地震で家がなくなって、いまだに引っ越しできずにこうして事務所で仮住まいをしているのに、なんだか不思議だ。「グレコ、お前はうらやましーじゃないか」と話しかけてみるが、甘やかせて(?)いるのは私だしな。
ケージに移されたグレコは、いままでの薄暗い段ボール箱から一転、横から外の様子が見えるような環境に変わって、戸惑っているみたいだ。少し背伸びして柵の間から鼻を出しては「あれ、見える見える。どこからでも外が見える」と不思議そうにしながらも、すぐに伏し目になってしまって、ケージの中をソワソワと歩き回っている。
しかし、困ったことに私たち人間の部屋が狭い。テレビをつけたり、コンピュータを使ったり、私たちの生活音や光が、グレコのケージを直撃してしまう。飼育書によると、できるだけ静かな環境をつくってやらなきゃいけないとあったしなあ。あんまり環境が激変してもいけないし…。とりあえず今日は、ケージのまわりを段ボールで囲ってやることにした。こういうのを、箱入り娘というんだよね、うん。
電車の窓から撮りました。電車の窓から撮りました。