元気復活!でも再び新たな災難が…。
その11●12月1日(日)晴れ時々曇り
グレコが大けがをして2週間たった。もうすっかり元気になって、しきりに「ケージの外へ出たいよー」というふうに、立ち上がって訴えかけてくる。それに応えて、暴れないようにしながら、少しだけテーブルの上に出してやることにした。以前より慎重な足どりに「お、グレコの頭も少し良くなったか」と思う。たしかにこの2週間、グレコはよくがんばった。なかでも、自分でリハビリをしている姿を見たときには、感動のあまりに涙が出たほどだ。おそるべし、野生の力。本能ってすごいなあ。
それは、ケガをして1週間目のことだった。いつものように話しかけながらグレコを眺めていると、グレコは痛めた後ろ足をぐーっと前に伸ばして、ゆっくりと足の指をひろげたのだ。あ、リハビリだ。グレコが自分で痛めた足の機能を徐々に取り戻そうとしている。
それから、気をつけて見ていると、している、している。足の筋を伸ばして、指をゆっくりとひろげたり縮めたり。そして、下でぺろぺろと足を舐めては、またからだの重みが痛めた足にかからないように足を伸ばして座りなおして…。誰に教えられるまでもなく、グレコは自分でリハビリに努めているのだ。
ウサギが四つん這いになって後ろ足を伸ばすと、鼻先のもっと向こうまで伸びてしまう。どこにそんなに長い足が隠れていたの? と思うほど長いのだ。ときどき両足ともそうやって前に投げ出していることがあるが、その姿は「あー疲れた」と人間がへたったときの格好に見える。
以前より慎重にテーブルの上を歩き回るグレコを眺めながら、私は今日、たまたま『つぶつぶいちごポッキー』を食べていた。その匂いに誘われるようにグレコが近寄ってきたかと思うと、ヒョイと奪って行ってしまった。
「カジカジカジカジ」
グレコは必死になっていちごポッキーをむさぼるように食べてしまった。そして「もっと、もっと」と私に口を寄せて迫ってくる。大好物のチンゲン菜でさえこんな迫力を見せたことはなかった。つぶつぶいちごポッキーが好きなウサギ…なんだか不思議な気分で、迫られるまま、私はいちごクリームがかかっている部分を少しだけにして食べさせてやった。チョコレートだとウサギは中毒を起こすらしいが、つぶつぶいちごポッキーの箱に書いてある原材料によると、チョコレートは入っていないらしい。でも、ホントはだめなのよね。人間用のクッキーをウサギに食べさせるのは。
しかし、つぶつぶいちごポッキーの味を覚えたグレコは止まらない。私が"くわえている細長いもの"は何でもつぶつぶいちごポッキーに見えるらしい。そのうち、たばこにまで寄ってきてしまうようになった。そして、恐れていたことが起こってしまった。
グレコがテーブルの上の何かを落としたので、それを取ろうと私がしゃがんだ瞬間、グレコはたったったっーと、私の右手に挟まれていたたばこに顔を近づけたのだ。わざわざグレコのいる反対側に向けて持ってたのにグレコの食い意地による動きの方がすばやかった。
「ジュッ」不吉な音ともに、焦げ臭い匂い。
火傷まではしなかったが、ああ、今度はヒゲ焦げウサギになってしまった。
「君は、きっと人間の赤ん坊だったら、不注意で早々に死なせてしまうと思うよ」
夫の言葉が、私をさらに落ち込ませた。
予約するかどうか思案中。
予約を終えて、ニコニコ顔でiMacと
一緒に記念撮影(恥ずかしかった)。