恐怖のダブルショックで、グレコ落ち込む。
その7●10月25日(火)晴れのち夜に雨
それは、突然の出来事だった。今日の昼過ぎ、夫が「グレコを外に連れ出してみよう」と言いながらマンションの廊下に出た瞬間、初めての外出に極度の恐怖感を覚えたのかグレコが突然激しくもがきだし、夫の腕から床にドンと落ちてしまったのだ。体が大きくなってきたとはいえ『ウサギの骨は非常に細く、乱暴に接すると骨折したりする』と飼育書の一節を思い出し、夫と私はただボーゼンと顔を見合わせるばかり。グレコは、着地したまま凍り付いたように動かない。
ひえー、骨でも折れたんじゃないだろうか。グレコはほとんど身動きもせず、心なしか目も虚ろだ。ちょうど、おしっこをするときのような遠い目をしている。ああ、「デブ、デブ」とからかっていたのが悔やまれる。ひょっとしてこのまま…と最悪の事態を想像してしまう。いやいや、そんなはずはない。でもああ、どうしよう、どうしよう、どうしよう。その間もグレコはじーっと息を潜めるように動かないままだ。
どうしたらいいかわからないまま、ひとまずテーブルの上にグレコを上げて、私の腕で包むようにしてやることにした。耳だけをピンと立てて、小刻みに震えている。
「ごめんね、ごめんね」
「いきなりの外出で、ビックリしたんだね」
「もう、恐くないよ」
30分ほど、そうやってなだめていただろうか。やがてグレコは、私の腕の下に鼻を押しつけるようにして、ウトウト眠りはじめた。こんなことも初めてだ。や、やばい。このまま永遠の眠りに、なんてことになったら…。でも疲労と安心で眠りだしたのなら、そのままにした方がいいし…。
その様子を見ていたら、今度はとうとう、夫が落ち込んでしまった。ゴロンとふて寝をする、その背中がやけに悲しげだ。や、やばい。うちの夫が落ち込んだら、それこそ2、3日は浮き上がってこないのだ。あー、どうしよう。
しかし、その後グレコは、見事に復活。けがもしなかったようで、夕方にはピョコタン、ピョコタンと部屋中を走り回るようになった。おかげで私たちもひと安心。夫の表情も明るくなった。よかったよかった。
ただグレコにとってはこの一件はよほどショックだったらしく、この日は一日中、行動範囲は狭く、特に段差にはえらく慎重になっていた。
「ゴメンねグレコ」
その日のグレコの夕食は、豪華にもサラダとデザートのクッキー付きだった。
予約するかどうか思案中。
予約を終えて、ニコニコ顔でiMacと
一緒に記念撮影(恥ずかしかった)。