グレコ、喫茶店デビューを果たす。
その5●10月17日(木)晴れ
グレコが跳んだ。考えてみればグレコはウサギなんだから跳ぶのは当たり前なのだが、うちに来てからの1週間、あまりにおとなしく、歩き方もヨチヨチとぬいぐるみのようだったから、つい忘れていたのだ。ところが今朝、段ボールの板と本を立ててつくった囲いのなかで走り回らせてやっているときに、本の向こうを2度ほど覗いたかと思うと、3度目には見事ジャンプして囲いの外へピョーンと飛び越えてしまったのだ。グレコは私たちの予想よりもはるかに早く、そして力強く成長を続けていたのだ。下半身がたくましくなり、それだけ脚力が強くなったということか。なんだか、うれしいようなちょっと困ったような、不思議な気分。いつまでも子供だと思ってたのに、そうやって私たちを追い越していってしまうのね…って、ウサギに追い越されたら恐いか。
喫茶店で恥ずかしがるグレコ。
落ち着いたら食べだす。
9時過ぎには携帯用の箱にグレコを入れて、私たちの行きつけの喫茶店『シベール』に行く。グレコを『シベール』に連れていくのは2回目だが、箱から出すのは初めてだ。
案の定、人見知り(?)をして随分おとなしく私の膝の上で固まっている。モーニングサービスに付いてくるレタスを、口の近くに持っていってもなかなか食べようとしない。それどころか私の肘と胸の間に頭をつっこんで、隠れてしまうていたらく。借りてきたネコの状態だ。私はここぞとばかりに「またネコかぶって。これ、あかんたれ」と、グレコをからかってやる。ウサギになったり、ネコになったり、今朝は忙しいグレコであった。
さすがに朝早くから走り回って見事なジャンプをみせたグレコ、今日の昼間はおとなしい。そーっと覗くとうつらうつらと眠っている。華奢な身体でコックリコックリと"船をこいで"いた1週間前とは違って、いまやドーンとその寝姿は丸々、堂々。グレーフォックスのコートを着たおばさんのようなポロポーションといったら、わかってもらえるだろうか。しかし、こうして寝顔(?)をみていると、やっぱり可愛いなーと思ってしまう。疲れて仕事から帰ってきたおとーさんがわが子の寝顔をみて「ふっ、疲れが吹っ飛ぶよな。この子のためにも頑張んなきゃな」と思うときの感じって、こんなもんなんだろうか…
って、ちょっと違うかな。
『MACPOWER』
を熱心に 読むグレコ。やはり将来の夢はプログラマーか!?