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森田童子の言葉

今の時代で、あまりにも不確かになってしまったもの。たとえば愛とか。そういったものを、もう一度たぐって突きつめてみたいと思ったんです。人間がプリミティブなものとして持っている心情の機微を、人形芝居でたどって見たらどうなるだろうと考えた。人形ってぎこちない手足を動かしながら、もどかしいぐらい抱き合う。もどかしいぐらいに泣くわけでしょう。生身の人間が同じことやるより、すごく切ない。そういった人形たちに、人間の心情の機微をふきかえて、簡単な言葉と簡単な動作で表現してみたかった。 ―夜想曲について―

私、決して人が嫌いじゃない。異常なんです。一度接するとその人の後をついて行きたくなっちゃうの。だから、嫌いとは違うんだなァ。昔は対人恐怖症がひどかった。親に顔見知りしてたぐらいだから。

コミニュケーションなんてない。

私は何もできない。動けなかった。私の歌は、周囲を見ていた自分の意識の投影なんです。人も風景もどんどん変わっていく。だけど自分だけが同じ所にいるような気がして……。何もしていなかった時間を、どうやって経験してきたか。こうなって欲しかった。多分こうだったんじゃないかという想いが、私の一つのエネルギーになっているんです。

ステレオなんてもってませんよ。あまり聞かないから。テレビはあります。夜、テレビをつけてないと眠れない。地方に行くと、ホテルで、テレビをガンガンつけて、電気をコウコウと明るくして寝るの。でないと不安でダメなんです。真っ暗だと頭の中に目ができちゃって、こわくて。

私、寝台車って大好き、電車のゴトン、ゴトンという音が胎内の音に似てる気がして、安心できる。よく眠れるの。

人はそれぞれ崇高な孤独を持っていればいい。

もし、感動を伝えるとするなら個から個へと伝わるものでしかありえない。

私、チューニングができないんです。それはどういうことなのか調べていったら、人の話を理解してないからできないんだって、言われました。人の話を理解していたら自然にできてくるもんなんですって。

芝居は切ない女の嘘に似ているのだから─。